皆様こんにちは!
本日は、節税の仕組み(後編)についてお伝えいたします!
ぜひご一読くださいませ。
減価償却の罠
世間でよくある節税方法の一つに減価償却資産を活用した節税方法を謳っている業者も多く存在します。
先述した通り、出口戦略さえ整っているならば上手に節税することは可能ですが、これも注意が必要です。減価償却の方法には定額法と定率法の2種類があります。
定額法とは毎年一定額を経費として計上し減価していく方法で、定率法とは一定の償却率で減価していく方法です。
資産毎に違いはありますが、定額法と定率法は初年度に選択する事が出来ます。
定率法の場合には課税の繰り延べをする事が出来ますが、定額法の場合は繰り延べにはなりません(一部償却期間が短い中古資産など除く)。償却年数が17年の太陽光設備の場合、定額法の償却率は5.9%、定率法の償却率は11.8%となります。太陽光発電は実質利回りが8%前後ですので、定額法であれば帳簿上の赤字とならず、増税につながりますが、定率法であれば最初の数年間は減価償却費の方が多くなるので減税となります。
売上:160万円/年
減価償却費(定率法):236万円 → 76万円の赤字
減価償却費(定額法):118万円 → 42万円の黒字
は増税となってしまうのです。
ここで課税所得が下がるタイミングであれば節税となりますが、事業所得や給与所得が下がらない場合には増税になってしまいますので、再度課税所得を繰り延べる、資産管理法人に譲渡するなどの対策が必要となります。仮に定額法で赤字となる場合は実際の収支も赤字なので投資回収ができていません。実際に赤字であれば当然に課税所得も下がりますが、その資産を節税目的で持ってしまう事は本末転倒となります。手元にお金を残せてこそ節税なのです。
節税と言うと多くの方が興味を持つワードであり、多くの業者がセールストークとして採用しています。それだけにの多い言葉であるのも事実です。メリットばかりを強調し、出口のない商品の販売を目的とした業者もいます。読者の皆様にはぜひ節税と言う甘い罠に引っかかることなく、2つのポイントを押さえて、目的にあった方法で出口を明確にした戦略で上手に対策していただけると幸いです。