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‐ 2024年11月号 ‐

どこで生命保険に入っていたんだろう…

生命保険は人生のリスクに備える重要な手段の一つであり、家族に安心をもたらす役割を担っています。しかし、生命保険契約の確認が必要な状況が発生することがあります。たとえば、高齢の親が契約している保険について、あるいは自分自身が過去に加入した契約があるかどうかが分からないという場合です。こうした場合、生命保険協会が提供する「生命保険契約照会制度」を利用することで、契約の有無を確認できる可能性があります。この記事では、生命保険契約照会制度の仕組みについてお伝えします。

【生命保険契約照会制度の概要】
生命保険協会が提供する生命保険契約照会制度は、加入者やその家族が既存の生命保険契約の有無を確認できる仕組みです。この制度により、保険会社に直接問い合わせることなく、保険契約の有無を調べることができます。制度の大きな特徴は以下の通りです。

① 照会対象者の限定:照会制度の利用は、原則として契約者本人または契約者の家族(遺族)に限られます。プライバシー保護の観点からも、申請者が契約者とどういう関係にあるか、確認が必要となってきます。
② 簡便な手続きで確認が可能:この制度では、一度の申請で複数の保険会社に照会できるため、特定の保険会社がわからなくても手続きが進められます。
③ 手数料と必要書類:一定の手数料(3,000円※2024年11月現在)がかかりますが、費用負担に対しても比較的負担が少なく、必要書類もシンプルとなります。

本制度であれば、保険加入者が亡くなった場合や認知症になってしまった場合などでも、保険加入の有無を調べることができますが、すべての保険が照会対象ではございません。損害保険は対象ではなく、生命保険に限ります。また、調査の対象となるのは、照会受付日の時点で有効に継続している個人保険契約で、死亡保険金が支払い済み、支払いが開始した年金保険、保険金が据え置きとなっている保険、解約済み及び、失効の保険については、調査対象外となります。本制度は生命保険にまつわる不明点を解決するための有効な手段です。活用することで、遺族が受け取れる保険金の請求漏れを防ぐことができます。高齢化社会において、契約者の健康状態や記憶の問題などから、契約情報が家族に伝わらないケースは増加しています。こうした背景から、生命保険協会が提供する照会制度の利用がより重要になってきています。もし万が一が起こった場合は、本制度を思い出していただければ幸いです。